ブラームスはお好き?(4)ブラ2の思い出
寒い冬の夜、吹く出番をひたすら待ち続けたことがありますか?
時は今を去ること二十数年前の十二月のある夜。場所は底冷えで有名な古都の片隅の、大正時代に建てられた木造の集会場を借りた練習場。歴史的建造物のため火気厳禁。従って何の暖房も無し。
曲はブラームスの交響曲二番の四楽章。その最初のたった二十四小節。冒頭にホルンとトランペットの二分音符はあるものの、指揮者は練習の最初で「弦だけ」と。
そうして室内でも気温は零度近く、ひたすら指揮者が弦楽器に何度も繰り返し弾かせるのをぼーっと待ち続けること二時間半。練習終了予定時刻はもう後十数分後。楽器も体も凍え誰しももう今日は出番無しかと諦めかけていた時ようやく、二十四小節を超えた・・・
「じゃあ今日はここまで」
その指揮者も既に亡くなって久しい。
合掌。
・・・で、何の話しだったっけ?
Hr.S
区民響機関紙「ポコ・ア・ポコ」第32号(2005年12月24日発行)より収録
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