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2008/01/06

ドビュッシーの魅力

2月の演奏会で、「海」「牧神」などの印象派音楽に初挑戦となる区民響。そこで今回は三原先生にドビュッシーの魅力や演奏上の注意点などについてお話をいただきました。

先生のお考えになるドビュッシーの魅力とは?

初めてドビュッシーを聴いたのは中学のころ、図書館にあったカラヤンとベルリンフィルのLPで、確か「牧神」と「海」の2曲が入っていたと思います。今その演奏を自分の手本にしたいとは思いませんが、当時すでに親しんでいたベートーベンとかワーグナーとかドイツ系の音楽にはない新鮮な響きが何の抵抗もなく素直に体に入ってきたのを覚えています。

作曲の手本としても、理詰めでがんじがらめのドイツ和声より自由さがあって、あらゆる可能性が広がる感じで自分には大変好ましく思え、高校時代は授業中にも教科書の下に「海」のスコアを隠して読みあさってました。

ドビュッシーが活躍していた当時、ドイツやオーストリアではシェーンベルクの12音音楽に代表されるような、より論理的、無調音楽への発展を遂げていましたが、ドビュッシーをはじめとするフランス音楽はもっと感覚的で、たとえば「何故夕陽は美しいのか?」とドイツ人なら光のスペクトル分析でもしてしまいそうなところを、ただただ「夕陽は美しいなあ」と素直に受け取る、という違いがあります。こうした感覚は、わび、さびなどを解する日本人の感性により近いのではないでしょうか。

事実、ドビュッシーはパリで開かれた万国博覧会で葛飾北斎の有名な浮世絵「東海道五十三次」に描かれた、海の荒れ狂う波の遥か後方にそびえる富士山の絵に触発されて、この交響詩「海」を着想したとも言われています。

日本を代表する作曲家の武満徹は、ドビュッシーを手本に出発し、大変個性的で優れた芸術を確立したことは世界的に知られています。わが国では西洋音楽が入ってきて以来、ドイツを至上とする偏重教育の歴史が現在でも尾を引いているのではないでしょうか。

演奏上の注意点を挙げていただけますか?

ドビュッシーだから、フランス音楽だからといって特別なことをするわけではありません。とにかく楽譜通り正確に演奏すること!に尽きます。

以前、芸大の室内楽の授業でガロワ・モンブランというフランス室内楽の大バイオリニストのレッスンを受けたとき、ドビュッシーやラヴェルだからといって繊細な音を出そうと軽く弾いたり、弱々しい淡い音色にぼかしたりしてはいけない。しっかりはっきり楽譜通りに原色で演奏せよ!と教えられました。

初めて聴く方(聴き馴染んでいない方)へのアドバイスなど...

タイトルから想起されるイメージを音楽の曲想と重ね合わせながら、先入観を持たずに聴いてください。体を楽に、音楽の流れに身を任せて聴いていただければと思います。

【機関紙「ぽこ あ ぽこ」2008 No.36より抜粋】

第41回定期演奏会(港北シンフォニーコンサート)は、座席にゆとりがあるため申込期限を1月15日まで延長しました。どうぞこの機会に奮ってご応募下さい。

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コメント

素敵なブログですね♪部屋でCDは聞いているのですがコンサートは行ったことないので行ってみたくなりました。

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