【曲目紹介】 モーツァルト交響曲第39番
ローマの謝肉祭の次は、モーツァルトの交響曲第39番です。
この曲を取り上げるのは1989年5月の第4回定演以来、20年ぶりとなります。
39番から41番までのいわゆる3大交響曲は1788年、モーツァルトの亡くなる3年前の夏に1ヵ月半という短期間に作曲されました。一説によればこの39番に至っては4~5日で書かれたというのですから驚きです。
3大交響曲はそれぞれ3曲とも全く違った方向性を示していますが特にこの39番は「白鳥の歌」という俗称が付けられているように清楚でありかつ人生のはかなさを感じさせるモーツァルトの最高傑作の一つとして長年親しまれてきました。後年楽劇の作曲で有名なワーグナーは39番を「楽器の持つ<歌う>という表現可能性を頂点まで高め、それが、心の無限の憧れの底知れぬ深みをとらえうるまでにした」と記しています。
第1楽章 アダージョ-アレグロ 変ホ長調 : 25小節に及ぶ序奏は高度の転調技法が駆使されており、それが終わると生き生きとした躍動感を持った第一主題と優美な歌を持つ第二主題が続きます。
第2楽章 アンダンテ コン モート 変イ長調 : 変イ長調の長閑な第一題はあたかも憧れ ヘ短調の激情的な経過部は哀しみ この二者が交錯する楽想はこの交響曲の中の白眉です。
第3楽章 メヌエット、アレグレット 変ホ長調 : 生き生きとしたメヌエット。クラリネット2本のデュオで奏されるトリオはとても印象的です。
第4楽章 アレグロ 変ホ長調 : 終始小気味の良い躍動感に満ちたフィナーレ。木管同士の対話、高弦と低弦との対話や展開も見事です。あっさり曲を閉じることも何ともはかなさを感じます。
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