機関紙「poco a poco」より

2017/05/13

岸本先生インタビュー

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第60回定期演奏会まで残すところ後2週間。今回は、岸本沙恵子先生にご指導いただくことになりました。
過去に2回、夏休み親子コンサートで指揮をしていただきお客様からご好評をいただきましたが、定期演奏会は初めてとなります。音大では声楽を専攻されていたというだけあって、練習中では時折、美声を使って音を表現してくださいます。

<<最初の指揮の師匠は、あの山田和樹さん?>>

学生時代は吹奏楽部に所属して中学ではトロンボーン、高校では打楽器をやっていました。

高校の吹奏楽部は顧問の先生はいらっしゃるんですが、音楽に携わらない先生でしたので、実質、生徒たちだけで活動していたんですが、私が1年生の時の3年生に山田和樹さん(現、モンテカルロ・フィルハーモニー管弦楽団芸術監督兼音楽監督)が学生指揮者として活躍していらっしゃって、最初に指揮を教えてくれたのが山田さんでしたね。当時から山田さんは才能溢れる方でした。

私の音大進学が決まってからは、山田さんが指揮するオーケストラのリハーサルや本番を見せてくださったり、アマチュアオーケストラの仕事を最初にくださったのも山田さんでした。

<<区民響のいいところは?>>

みなさん明るくて仲がいいですよね。
みんなでひとつのものを作るには、時に意見を言い合うのも大事ですが、いざという時に協力することができるというのはいいことですね。

あとは、アマチュアだとヴィオラやコントラバスの団員が少ない、またはいないオーケストラもありますが、区民響は各楽器の人数が揃っていますよね。
いい音聞かせてくれます。その時はとても嬉しくなります。オーケストラに慣れている方が多くて、安心感もありますね。

<<今回のプログラムについてひとことお願いします>>

ローエングリンは、オペラのはじまりの音楽ですが、眠りに誘うような出だしで、光や神の存在を音楽で表しているかのような曲です。

音と音が絡まり合いながらハーモニーを作り、進んでいく難しい曲だと思いますが、お客様には是非響きと音楽の高まりを楽しんでいただければと思います。

静かな音楽のローエングリンに対比して、後半は「運命」ですね。

運命は「ソソソミー」(最初のジャジャジャジャーンの部分)のモチーフが1楽章から4楽章
まで全体的に繰り返し登場するのが画期的ですよね。耳馴染みになっているけれどもいろんな仕掛けがある曲だと思います。最後まで緊張感とエネルギーを持ってお客様を感動させられるようにしたいですね。Photo_3

カレリア組曲はシベリウスならではの広大な大地や自然を感じさせる曲で、第2曲のバラードもしっとりしていて素敵ですね。

<<指揮者は男性が圧倒的に多いですが、女性だからこそというエピソードはありますか?>>

作曲家も男性が多いので、男性の思考で作曲された作品が多いんですよね。

ともすると女性の生理現象と反することがあるみたいで、例えば男性的な構築力や高まり方(和音の積み重ねだけで音楽が進んでいったり変わっていくとか)の表現の時なんかは、どうしても分からないと思ってしまうこともありますね。

持続力なんかは男性のパワーがないなぁと思うことがあります。一度男性の頭脳になってみたいと思います(笑)。

逆に、やさしい表情の音楽の時は、女性の指揮者で素敵でしたと言われて嬉しかったことがありますし、「お前は、男性指揮者より豊かな音が引き出せるんだぞ」と先生に言われた時はこれは男女関係ないことですが嬉しかったですね。

<<今後区民響はどんなことに注意して演奏すれば良くなると思いますか?>>

普段から本番の会場である公会堂で練習できるというのは利点でもありますが、ともすると残響が多い分ごまかしが効く、というところが欠点になってしまいますね。

みんなの響きがある中で、特に管楽器は自分の音を聞き取ろうとしてぐっと音を押し込むような癖がある人がいますね。それを直すともっと良さを生かすことができると思いますよ。

<<夏休み親子コンサートも岸本先生にご指導いただきます。引き続きよろしくお願いします>>

良い意味でプレッシャーを感じます。定期演奏会がうまくいって、さらに親子コンサートに期待をもっていただけるよう頑張ります。楽しみにしています。

2009/01/18

三矢先生にお尋ねします

恒例となりました指揮者への質問コーナー。区民響とは6回目の共演で今回最後となりました三矢先生のお人柄に迫ります。

指揮者になろうと思われたきっかけを教えてください。
・覚えてません…。音大受験を考えていた頃から、指揮には興味があったんですが。

お好きな(尊敬する)音楽家を教えてください。
・基本的に音楽家は、昔の人も今の人もあまり好きじゃない(!)しいて言えば、つい先日(11/3)亡くなった指揮者のジャン・フルネ氏かな~。

印象に残る演奏会はありますか?
・中学2年の時に、児童合唱団の一員としてフルネの指揮でN響とベルリオーズの『ファウストの刧罰』を歌いました。この経験は、その後の進路決定にモロに影響しました。

もしも指揮者にならなかったら何をされていたでしょうか?
・すでに一度「オーボエ奏者」という立場から方向転換をして、現在「指揮者」をしているので、指揮者以外の選択肢を考えたりしたら罰があたっちゃいます…。

休日はどのように過ごされますか?
・とにかくひたすら寝てます。

ご自身を動物にたとえると?
・猫。…これは願望かな。生まれ変わったら猫になりたいと常々思っているので、日々猫に近付けるよう努力しています。

港北オケの特徴は?
・いろいろな意味で真面目な方が多いと思います。とても真摯にオケ活動に取り組んでいらっしゃる。私がでたらめな解釈を放り投げても、マジメにきちんとついてきて下さいますね。寛大な方達の集団だからでしょうか。
ありがとうございます。

練習中はどのような事に気を使っていますか?
・自分のことでいっぱいで、あまり気遣っていません…。

今後の港北オケに望む(期待する)ことは?
・堅い曲をきっちりと演奏なさるのは得意とお見受けしましたが、もっと柔軟な表現力を磨いて、柔らかい曲や楽しい曲にも積極的に取り組んでいって下さい。

今回のプログラムの聴き所をお願いします。
・華やかなベルリオーズ、安定感のあるモーツァルト、壮大な北欧神話の世界を表現するシベリウスと、それぞれのプログラムの音色の違いを感じて、楽しんでいただければ幸いです。

三矢先生の練習はとても楽しいです。私たちの出来がどんなに悪かろうと、先生は素敵な笑顔と独特の比喩表現(!)で練習場の雰囲気を明るくしてしまいます。あと一ヶ月ほどで終わりと思うとちょっぴり淋しいですが、これまでの先生の愛情に応えるべく団員一同、頑張る所存です。よろしくお願いいたします。

(港北区民交響楽団機関紙poco a poco第38号(2009/1/15発行)より転載)

2006/01/12

ブラームスはお好き?(4)ブラ2の思い出

寒い冬の夜、吹く出番をひたすら待ち続けたことがありますか?

時は今を去ること二十数年前の十二月のある夜。場所は底冷えで有名な古都の片隅の、大正時代に建てられた木造の集会場を借りた練習場。歴史的建造物のため火気厳禁。従って何の暖房も無し。

曲はブラームスの交響曲二番の四楽章。その最初のたった二十四小節。冒頭にホルンとトランペットの二分音符はあるものの、指揮者は練習の最初で「弦だけ」と。

そうして室内でも気温は零度近く、ひたすら指揮者が弦楽器に何度も繰り返し弾かせるのをぼーっと待ち続けること二時間半。練習終了予定時刻はもう後十数分後。楽器も体も凍え誰しももう今日は出番無しかと諦めかけていた時ようやく、二十四小節を超えた・・・

「じゃあ今日はここまで」

その指揮者も既に亡くなって久しい。

合掌。

・・・で、何の話しだったっけ?

Hr.S

区民響機関紙「ポコ・ア・ポコ」第32号(2005年12月24日発行)より収録

2006/01/11

ブラームスはお好き?(3)

私にとってブラームスといえば、まずは中学校の卒業式で卒業証書授与の間BGMとして流れていた交響曲第1番4楽章のAllegro non troppoであり、今でもその部分を聞くと、晴れがましくも切ない早春の日のことを思い出します。

その後、何回かブラームス演奏の機会に恵まれましたが、演奏してみると、彼のゲルマン的正しさに満ちた音楽は、早春というより硬いが滋養に富んだ『天然酵母黒パン』のようであり、日頃そこいらの食パンを食している私なぞ、演奏後は達成感とともに少々「おなかいっぱい」にもなるのでした。

それにしても、木管奏者は本当にブラームスがお好き。美味しいソロ、緻密なアンサンブル、演奏者の心を捉えてやまないその音楽をめぐり、一見穏便、実は… の乗り番争いが発生することもしばしば…(怖っ)。

Fg.M

区民響機関紙「ポコ・ア・ポコ」第32号(2005年12月24日発行)より収録

2006/01/10

ブラームスはお好き?(2)

サガンの小説は別として、ブラームスは大好きです。特に好きなのは、弦楽四重奏の3番です。
交響曲も全曲好きですが、やったことのあるのは1番だけです。
今回2番が出来るので大変喜んでいます。
但し、ブラームス特有のシンコペーションや「ずれた旋律」は私の天敵です。

Vc.T

区民響機関紙「ポコ・ア・ポコ」第32号(2005年12月24日発行)より収録

2006/01/09

ブラームスはお好き?

クラシックファン間では愛好家が多いといわれるブラームス。今回、交響曲2番をやるにあたり、あえて「ブラームスは好きですか?」と、演奏者たる団員にお尋ねしてみました。それにしても色々なブラームス観があるものですね。
(4回のシリーズものとしてお届けします)

ブラームスはお好き?(1)

交響曲1番を聴くまでなぜかブラームスは食わず嫌いでした。
今思うとB・rah・m・sという発音そのものに気取った感じがあるようで馴染めなかったのかなー? 特にrahでアーとのばすところ。
1番を知った後の私は、この曲だけあれば他になんにもいらないという生活がしばらく続きます。
しかししかし昨年初めて2番を聴く機会があり、「1番の上を行く曲があったのか!!」と。
運良くオケの定演曲目になり早速1st vlnを志願。4楽章(練習NO .A)では弾いている最中腰が浮きはじめる自分がわかります。^^!
以上遅まきのブラームス親派でした。

Vn.S

区民響機関紙「ポコ・ア・ポコ」第32号(2005年12月24日発行)より収録

2005/05/01

公会堂で久しぶりのコンチェルト~アランフェス協奏曲

 区民響は創立して1年の準備期間を経た後、定期的な演奏会を年2回行ってきているが、1999年1月の第23回より、みなとみらいホールと港北公会堂を交互に利用している。

「区民のための」オーケストラを標榜するのならば、本来、港北区内の施設で演奏会を開催するのが筋ではあるが、ご存知のように公会堂は手狭であり、我々規模のオーケストラはステージに全員が載ることが出来ない。そこで客席の一部を撤去して演奏する例のスタイルを20年近く続けている。とは言え、大きなホールで演奏したい・聴きたいという欲求は次第に高まり、関係各位の努力の甲斐あって、前述の如くみなとみらいホールでの定期的な演奏会が実現したわけである。

 定期演奏会の選曲にあたっては、勿論ホールの特性を考慮している。大きなホールではブルックナーのような大編成の曲、小さなホールではモーツァルトのようなこぢんまりとした曲を披露するということである。しかしこのような大原則をもってしても、公会堂で演奏する機会から漏れてしまったジャンルがあった。コンチェルトである。

 公会堂では上述したように客席フロアで演奏する関係上、ピアノコンチェルトはピアノ移動のためのコストの関係上困難なのだが、ピアノを除けばこのような問題はない。にも関わらず、公会堂でのコンチェルトの記録は、1997年の趙 静氏によるハイドンのチェロ協奏曲以来、長らく途絶えてしまっていた。

 1999年以降、定期演奏会でコンチェルトを扱ったのは3回。ピアノが2回、ヴァイオリンが1回で、いずれもみなとみらいホールでの演奏会であった。勿論コンチェルトも大きなホールで演奏したいし、聴きたいものではあるが、「区民のため」のオーケストラであることを考えるのならば、より地元に密着したホールでコンチェルトを聴いていただく機会を提供するのは区民響の使命でもあるとも考える。

私事で恐縮だが、私には大正元年生まれの祖母がおり、日吉に在住しているが、さすがに90を超える高齢では、みなとみらいホールは近いとは言え、やはり敷居が高くなってしまう。このような高齢ではないにしても、近所のホールでオーケストラ、特にコンチェルトを楽しみたいという方は区民響ファンの中にもいらっしゃるのではないかと思う。

 そこで来る5月22日の第36回定期演奏会では、久しぶりに公会堂でコンチェルトを取り上げる。スペイン出身のロドリーゴが作曲したアランフェス協奏曲である。この曲はコンチェルトの中でも極めて珍しいギターの協奏曲である。あまりアマチュアオケでは取り上げられない曲だが、2楽章の郷愁を誘う美しいメロディーが非常に有名であり、ご存知の方も多いことだろう。

 ギターという楽器はデリケートで音量に乏しいため、オーケストラと協奏させようという試みは古典期の数少ない例外を除いて従来行われていなかったが、それを見事なバランスで協奏曲に仕立て上げたのが、目の不自由だったロドリーゴである。1939年、昭和14年のことであった。独奏楽器の音量の小ささは、手狭な公会堂では逆にメリットになるのではないかと考えている。

 今回はギター独奏に田口 悠太郎氏をお迎えする。本原稿執筆時点でまだ合わせ練習はしていないが、区民響創立後に生まれた、お若い方だと聞いている。どんなアランフェスになるのか、演奏する側も今から楽しみである。
事情により、益田正洋氏に変更になりました。

Web Master記

第36回定期演奏会の申込締切は5月2日(必着)です。⇒締め切りました。

2005/04/24

♪今年も盛況でした ~ オーケストラ体験教室

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今年も3月12日、オーケストラ体験教室が開かれ、50人ほどの参加がありました。
港北区の生涯学習の行事として、毎年開かれている教室です。 
お手伝いいただいた団員の方々には、ご苦労様でした。

小学生から70歳台まで、それぞれの想い・憧れが集い、四時間ほどベートーベン田園交響曲の世界を体験しました。

オーケストラの楽しさ、難しさを感じ取ってくれたようです。 
また、この教室に聴衆(参加者の家族以外で、行事を知って練習を見学)として参加された方々も、身近で白河先生の指導コメントを聞けて喜んでいました。

コンサートマスター  福島

こちらに当日の写真集がありますので、ご覧下さい。

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