岸本先生インタビュー
<<最初の指揮の師匠は、あの山田和樹さん?>>
学生時代は吹奏楽部に所属して中学ではトロンボーン、高校では打楽器をやっていました。
高校の吹奏楽部は顧問の先生はいらっしゃるんですが、音楽に携わらない先生でしたので、実質、生徒たちだけで活動していたんですが、私が1年生の時の3年生に山田和樹さん(現、モンテカルロ・フィルハーモニー管弦楽団芸術監督兼音楽監督)が学生指揮者として活躍していらっしゃって、最初に指揮を教えてくれたのが山田さんでしたね。当時から山田さんは才能溢れる方でした。
私の音大進学が決まってからは、山田さんが指揮するオーケストラのリハーサルや本番を見せてくださったり、アマチュアオーケストラの仕事を最初にくださったのも山田さんでした。
<<区民響のいいところは?>>
みなさん明るくて仲がいいですよね。
あとは、アマチュアだとヴィオラやコントラバスの団員が少ない、またはいないオーケストラもありますが、区民響は各楽器の人数が揃っていますよね。
<<今回のプログラムについてひとことお願いします>>
ローエングリンは、オペラのはじまりの音楽ですが、眠りに誘うような出だしで、光や神の存在を音楽で表しているかのような曲です。
音と音が絡まり合いながらハーモニーを作り、進んでいく難しい曲だと思いますが、お客様には是非響きと音楽の高まりを楽しんでいただければと思います。
静かな音楽のローエングリンに対比して、後半は「運命」ですね。
運命は「ソソソミー」(最初のジャジャジャジャーンの部分)のモチーフが1楽章から4楽章
カレリア組曲はシベリウスならではの広大な大地や自然を感じさせる曲で、第2曲のバラードもしっとりしていて素敵ですね。
<<指揮者は男性が圧倒的に多いですが、女性だからこそというエピソードはありますか?>>
作曲家も男性が多いので、男性の思考で作曲された作品が多いんですよね。
ともすると女性の生理現象と反することがあるみたいで、例えば男性的な構築力や高まり方(和音の積み重ねだけで音楽が進んでいったり変わっていくとか)の表現の時なんかは、どうしても分からないと思ってしまうこともありますね。
持続力なんかは男性のパワーがないなぁと思うことがあります。一度男性の頭脳になってみたいと思います(笑)。
逆に、やさしい表情の音楽の時は、女性の指揮者で素敵でしたと言われて嬉しかったことがありますし、「お前は、男性指揮者より豊かな音が引き出せるんだぞ」と先生に言われた時はこれは男女関係ないことですが嬉しかったですね。
<<今後区民響はどんなことに注意して演奏すれば良くなると思いますか?>>
普段から本番の会場である公会堂で練習できるというのは利点でもありますが、ともすると残響が多い分ごまかしが効く、というところが欠点になってしまいますね。
みんなの響きがある中で、特に管楽器は自分の音を聞き取ろうとしてぐっと音を押し込むような癖がある人がいますね。それを直すともっと良さを生かすことができると思いますよ。
<<夏休み親子コンサートも岸本先生にご指導いただきます。引き続きよろしくお願いします>>
良い意味でプレッシャーを感じます。定期演奏会がうまくいって、さらに親子コンサートに期待をもっていただけるよう頑張ります。楽しみにしています。
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